君に紡ぐ、ことばたち





たとえばこの同じ空の下
離れ離れでも
笑って、幸せで、生きて、
いてくれる、なら

(でも、できれば歩いていけるとこにいてくれれば、うれしい)



ひかりさすあの場所を
私はずっと、覚えているから

(だからいいのです、あなたは忘れてしまっても)




あかく、くらく、
もえる、くれる、
夕暮れの、
黄昏の、
逢魔が、とき

(私は誰に逢えるでしょう)
(私は誰に、逢いたいのでしょう)




どこまでも
どこまでも
いつまでも、遠く

(走っていけるかな、行けるところまで)




夕暮れの、その向こうで
また、会えますように

(また明日、という不確かな約束に縋って)




青空の下で、いつか

(また)

一緒に笑える日が
くればいい




もしも君があの入道雲から飛び降りてきたならば
なにがなんでも、うけとめてみせるから

(だから、ねぇ、お願い)
(かえってきて)




愛憎半ばというか
憎ばかりというか
それでも確かに
愛もあったはずなんだ

(たとえそれが、どんなに昔のことであっても)




咲き誇る藤の花
むせ返るような甘い香り
揺れる薄紫
その下に立つ、懐かしい人

(遠い、あの日の想い出)
(もうかえらない、想い出)




蒼い世界に、立ちすくむ

(歩いていこう、あの月を道しるべに)




一番最後の、
一番かなしいゆめ

(どこをさがしても、あなたがいないの)




ねえ、ただ一緒にいるだけでなく
私はあなたに、何をしてあげられるのかな

(いつかさよならする、その日の前に)




この飲み込まれそうな空の下
それでもちゃんと、息をしている

(大丈夫、私はちゃんと、生きているから)




あやふやで、あいまいで
断言はできないけど
でも、確かにいえること

(確かにきみは、ぼくにとってどこか特別)




暮れるのは、夕日だけじゃなくて
暗くなるのは、光だけじゃなくて

(だってどうせ、この手はからっぽ)




たぶんきっと、晴れるだろう

(それまで二人で、待っていようか)




交わした幼い約束は
果たされる
こともなく

(ずっとずっと、いっしょにいようね)




たとえば、いつかふりかえった時
それが綺麗な想い出であるようにと

(いつか、なつかしく思い返せるように)




きみが呼ぶなら
どこへだって
すぐに飛んでゆくよ

(だってぼくは、きみの正義の味方)




きみはいつもそっぽを向いて

(その先に何があるかなんて、知りたくもない)











言ノ葉