白い鳥の羽根に似た『翼』。 黒い蝙蝠の羽根に似た『羽』。 虹色の蝶のような『翅』。 そしてこれら基本三種の翼の混血種、 『翼』と『羽』の混血種たる『黒い翼』は、漆黒の鳥の羽根を持ち。 『羽』と『翅』の混血種たる『黒い翅』は、漆黒の蝶の羽根を持ち。 『翼』と『翅』の混血種たる『白い翅』は真白い蝶の羽根を、そして『虹色の翼』は虹に煌めく鳥の羽根を持つ。 モノはその翼に触れることは能わず。 ヒトの身体のみ、触れることが叶う。 ヒトの背に確かに存在し、その存在こそがヒトの寿命さえ左右する。 これは、ヒトがその背に翼を持つ世界のお話。 その世界に生まれた、二人のこどものお話。 二人のこどもが、自分たちの居場所に“還る”までのお話――。
堕天使たちの還る空
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